「えっ!?翔太君のクラスの子がリストカット!?」


旦那さんが相談事を聞いてやると言ったので、翔太が悩み事を言うと旦那さんは驚いていた。


「あの子も俺も同類なんですよ……」


「えっ?」


そして、翔太は酒の酔いに任せて自分の過去を話し出す。


「翔太君もリストカットしてたなんて……」


強気な旦那さんは困惑したような顔をしていた。なぜか申し訳なく感じる。


「なんか、ごめんなさい……」


「別にいいぜ。そう経験があるからこそ、助けてあげられるんだから」


「でも……栞奈を助けられなかった……」


「大丈夫。その栞奈ちゃんって言う子が目覚めたら、しっかりと守ってあげなよ」


「……はい!」


旦那さんのアドバイスに翔太は心を打つ。自分もそんな風に言える大人になりたいと思った。


旦那さんとたくさん話した翔太。気分転換みたいな感じで、気持ちが楽になった。


裕也はタクシーで帰り、翔太は代行を呼んで家に帰って行った。


「楽しかったなぁ……」


翔太は家の前で空を見上げ、そう呟いた。