「ほら」
短い言葉と一緒に差し出された蓮見さんのスマホには
【Calling:香恵】の文字。
「……あ、」
「自分の彼女の名前くらい知ってるっつーの」
ボボボッと熱を持つ単純な私の頬。
今が夜で良かったって思うくらい、きっと真っ赤に染まっているだろう。
まさか蓮見さんが、下の名前で登録してくれているなんて誰が予想しただろう。1度だって呼ばれたことのない名前。
だけど蓮見さんはちゃんと知っててくれた。
それだけでやっぱり、昨日散々泣いたこととか、不安だったこととか全部、無かったことに出来てしまう私は単純だと思う。
「本当は、朝仕事終わってすぐ電話しようと思ってた」
「え?」
「でも、お前は仕事中だろうと思ってやめた」
なんだ。
私がそばにいない時でも、蓮見さんは私のことを思い出したりしてくれるんだ。
私ばっかり恋しく思ってるのかと思ってたけど、意外とそうでもないって思っていいんでしょうか?
「お昼なら、電話出れましたよ」
「……あぁ、そう思ってるうちに家着いたら寝ちまってて。起きたら夕方だったんだよ」
なるほど。
一旦ちゃんと家に帰ったんだ。少しは寝れたみたいで安心してる自分はどこまで蓮見さんのことが好きなんだろう。
「ふふ……」
「なんだよ」
「好きだなぁって、思っただけです」
本当に本当に、好きだな。
こうしてただ向き合ってるだけでどうしようもないくらい好きが溢れていく。どんどん、どんどん増えていく。
「そういう事、あんまサラッと言うんじゃねえよ」
なんて、蓮見さんは相変わらずツレないけれど。
そんな蓮見さんが愛しくてしょうがないんだから、仕方ないじゃないですか。
短い言葉と一緒に差し出された蓮見さんのスマホには
【Calling:香恵】の文字。
「……あ、」
「自分の彼女の名前くらい知ってるっつーの」
ボボボッと熱を持つ単純な私の頬。
今が夜で良かったって思うくらい、きっと真っ赤に染まっているだろう。
まさか蓮見さんが、下の名前で登録してくれているなんて誰が予想しただろう。1度だって呼ばれたことのない名前。
だけど蓮見さんはちゃんと知っててくれた。
それだけでやっぱり、昨日散々泣いたこととか、不安だったこととか全部、無かったことに出来てしまう私は単純だと思う。
「本当は、朝仕事終わってすぐ電話しようと思ってた」
「え?」
「でも、お前は仕事中だろうと思ってやめた」
なんだ。
私がそばにいない時でも、蓮見さんは私のことを思い出したりしてくれるんだ。
私ばっかり恋しく思ってるのかと思ってたけど、意外とそうでもないって思っていいんでしょうか?
「お昼なら、電話出れましたよ」
「……あぁ、そう思ってるうちに家着いたら寝ちまってて。起きたら夕方だったんだよ」
なるほど。
一旦ちゃんと家に帰ったんだ。少しは寝れたみたいで安心してる自分はどこまで蓮見さんのことが好きなんだろう。
「ふふ……」
「なんだよ」
「好きだなぁって、思っただけです」
本当に本当に、好きだな。
こうしてただ向き合ってるだけでどうしようもないくらい好きが溢れていく。どんどん、どんどん増えていく。
「そういう事、あんまサラッと言うんじゃねえよ」
なんて、蓮見さんは相変わらずツレないけれど。
そんな蓮見さんが愛しくてしょうがないんだから、仕方ないじゃないですか。


