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今日はまさかの残業。
午後の会議の議事録を作りながら、時計を確認すればもうすでに20時45分を回っている。
あーあ、蓮見さんに会いたい。
でも今日は金曜日。
私が帰る頃にはきっと22時を回るだろうし、あちこちで酒に吞まれた酔っ払いたちが騒ぎ出すのもそれくらいからだろう。
……となれば、仮に当番だとしても
現場に駆けつけてしまうであろう蓮見さんには会えない。
今朝だって会ったのにどうしようもなく、蓮見さん不足。
いつもなら蓮見さんについて考えては口元を緩めている私も、今日は生田の様子をチラチラと盗み見ては、誰にも資料室での"アレ"を言ってはいないかとソワソワしていたせいで、
蓮見さんのことを考える時間が少なかったのも原因の1つだ。
いつでもどこにいても蓮見さんを見つめていられたらいいのに。いや、それこそ本当にストーカーって言われちゃいそうだけど。
そうだなぁ。
マスコット的な感じで、ミニチュア蓮見さんとかあったらいいのに。ちょ……やばい、萌える。なにそれミニチュア蓮見さんとか、悶える死ぬ。我ながら天才すぎ!!
絶対毎日連れて歩く。夜は抱きしめて寝る。
……でもやっぱり、ミニチュア蓮見さんも最高に捨て難いけど、本物の蓮見さんに後からギュッて抱きしめられながら眠りたい。
……ひゃ〜〜!!!
私ってば!残業中に何考えてんのよ、もう!
勝手に想像して、勝手に火照る自分の頬を両手でパタパタと仰いで、残りの仕事を必死に終わらせにかかる私は今日も、淡い期待を抱いて、交番を尋ねるつもり120%。


