自分で言うのも何だけど、それなりに仕事は出来る方だ。
一応仕事にはやりがいを感じてるし、毎日毎日あーでもない、こーでもないって愚痴を言いながらではあるけれど、


やっぱり、大きなプロジェクトが無事に終わった時には、あー頑張ってきて良かったなって、必ず報われる瞬間が訪れるから。



つまり、会社の人から見た私の印象って多分、


真面目で、男に微塵も興味が無い、つまらない女


ってところだろう。ほら、元々化粧は薄めだし、華やかさに欠けてるってことには自覚がある。



そんな女が、まさかの警察官に片想い中なんて誰が思うだろう。しかも熱烈アタックを繰り広げてて、微塵も相手にされてないなんて。


うん、間違いなく大スクープだよ。



「とにかく生田、ここで起きたこと話したこと全部、記憶から抹消するように」



ビシッと人差し指を立てて生田に釘をさせば、ヘラヘラッと笑った生田から「りょ」なんて気の抜けた返事が返ってきて


あー、絶対こいつ分かってない。
記憶から抹消する気ゼロだ。


と、資料室を後にしながら頭を抱えたのは言うまでもない。あー、だめだ。なんで生田なんかに「男心について」聞いてしまったんだろう。人選ミスにも程がある。


頼むから生田、お前大人しくしてろよ。
変な真似したらマジで吊るすからな。