私が知りたかったのは、どんな時に女の子を可愛いって思うのか……とか。どんな子を守ってあげたくなるのか……とか。


もっと言えば、どういう時に相手を好きだなって思うのか……とか。



多分、男と女では大きく違うであろうそう言う部分であって、決してキスしたくなるタイミングなんて聞いてない。



だけど、あろう事か目の前の男は、



「俺、赤羽とだったらこの先もアリだけど」


完全に、私の知りたいことを勘違いしているらしい。



「そりゃどーも。でもこっちから願い下げ!ったく、聞く相手間違えた。とにかく犬にでも噛まれたと思って忘れるから、生田も今あった全てのことをそのエロ8割の脳みそから消去するように」



ないない。
有り得ない。


あーあ、蓮見さんとのラブハプニングだったら鼻血だって出るだろうに。蓮見さん以外の「男」と呼ばれる生き物には微塵も興味が無い。


そりゃ友達として、同僚として、上司と部下として。
"ただそれだけ"なら、私だって上手く付き合えるけれど、そこに愛だの恋だの変な感情が生まれることは有り得ない。


蓮見さんしか見えないし、蓮見さんしかいらない。
蓮見さんにだけ好きになってもらえたらそれでいいし、他の男になんて思われたって私にはどうだっていい。



それだけ、私の中には蓮見さんしかいないってのに、


……蓮見さんってば、いつまでツンツンしてるつもりなんだろう。そろそろデレてくれてもいいんですよ?♡


なんて、蓮見さんのことを考えると口元が緩んでしまう。
気を引き締めろ、香恵!