北海道ならではの新鮮なイクラやカニの映像が瞬時に頭に浮かび、ぱあっと顔を輝かせる私。
「い、いいんですか?」
「これも食の勉強だ」
目の色を変える現金な私に、彼はおかしそうに笑い、飲食店が並ぶほうへと足を向ける。しかし、なにかを思い出したように再び立ち止まった。
そうして突然私の左手を取り、手の平を上に向けて開かせる。
「あと、これもやるよ。アリサは人の土産ばっか選んで、自分には買わなそうだから」
そう言って、ポケットから取り出したなにかを手の平に乗せてくるので、まさか素敵なお土産?と、一瞬胸が期待に膨らむ。
軽く心を躍らせて見てみれば……そこにあるのは、直径七センチほどの、焦げ茶色の熊が鮭をくわえているミニサイズの置物だった。
これ、あれですよね。昔の北海道土産の定番だった、おじいちゃんの家とかでよく見る有名なあれですよね。
小さいのにずっしりとしたそれを見つめ、私は口の端を引きつらせる。
「なぜ、木彫りの熊……」
「北海道といえばこれかなって」
「いつの時代ですか」
思わず真顔でツッコんでしまった。不破さんって、センスを疑うときがたまにある。
「い、いいんですか?」
「これも食の勉強だ」
目の色を変える現金な私に、彼はおかしそうに笑い、飲食店が並ぶほうへと足を向ける。しかし、なにかを思い出したように再び立ち止まった。
そうして突然私の左手を取り、手の平を上に向けて開かせる。
「あと、これもやるよ。アリサは人の土産ばっか選んで、自分には買わなそうだから」
そう言って、ポケットから取り出したなにかを手の平に乗せてくるので、まさか素敵なお土産?と、一瞬胸が期待に膨らむ。
軽く心を躍らせて見てみれば……そこにあるのは、直径七センチほどの、焦げ茶色の熊が鮭をくわえているミニサイズの置物だった。
これ、あれですよね。昔の北海道土産の定番だった、おじいちゃんの家とかでよく見る有名なあれですよね。
小さいのにずっしりとしたそれを見つめ、私は口の端を引きつらせる。
「なぜ、木彫りの熊……」
「北海道といえばこれかなって」
「いつの時代ですか」
思わず真顔でツッコんでしまった。不破さんって、センスを疑うときがたまにある。