……オフのときに連れてってくれる? それって、仕事上の立場は関係なくただの男と女として、ということ?

いや逆に、そんなことをさらっと言っちゃうあたり、私って異性として意識されていないんだろうか。

あれこれ思案してなんとなく複雑な気分になるも、ふいにピンと来た。もしかしたらこれは、特別報酬のひとつなのではないか、と。


「それに見合うくらいのミッションをこなして社長に貢献したら、ということですか」

「ご名答」


彼はこちらに目線を向け、ふっと微笑んだ。

やっぱりそうか。北海道旅行がボーナスだなんて、いったいどれだけの要求をされるのか、考えるのも恐ろしい。

私を旅行に連れて行ってくれるのは仕事の対価なのだと思うと、なんだか無性に切ないし。……って、なんで切なくなるのよ。

自然と込み上げていた謎の心情にツッコんでいると、不破さんの口から思わぬひとことが飛び出す。


「でも、アリサは今日もよくやってくれたから、せめて海の幸でも食って帰るか。まだ時間あるし」

「えっ!?」


海の幸、食べさせてくれるの!? それなら来た甲斐がある!