その日は、ピーターのお世話の方法を教えてもらい、段ボールの中身の片づけや掃除を軽くして、業務は終了。

以来、なんやかんやと家の用事を頼まれて、彼のマンションに寄ってから帰ることが多くなっている。

十一月も終わりに近づいた今日も、ミッションをこなしてアパートに帰宅した私は、着替えもせず自分の部屋のベッドにダイブした。

すでに八時を回っている今、桃花は先にお風呂に入ったらしい。肩にタオルをかけた彼女は、缶ビールを二本手にして戸口に寄りかかり、憐れむような声を投げてくる。


「今日はどうしたの」

「『ピーターのエサ買い忘れた』って言うから、指定されたやつを買って宅配ボックスに突っ込んできた……。そのエサが特定のペットショップにしか売ってないペレットだっていうのを本人も知らなかったみたいで、めちゃくちゃ探し回ったよ……」

「それはご苦労様」


桃花は苦笑交じりに言い、テーブルに一本の缶ビールをコトリと置いた。彼女のささやかな労いが嬉しいのに、疲れがどっと出た私はうつ伏せになったまま動けない。