独占欲を露わにした言葉に、心臓が大きく揺れ動いた。

彼が必死にここへ、私のもとへ来てくれたことをようやく実感し始め、胸の奥から熱いものが込み上げてくる。

ところが、雪成さんの正面に向き直らせられたかと思うと、彼が突然深々と頭を下げたのだ。私はギョッとしてしまう。


「ちょっ、雪成さ──」

「すまない。俺の勝手な推測でお前を傷つけて、泣かせて……本当に悪かった」


真摯に謝ってくれていることは十分わかり、安堵と恐縮が入り混じったような、複雑な心境になる。

でも、こうやって謝ってくれたということは、きっとリオンの誤解は無事解けたのだろう。それだけでも、ものすごくホッとした。


「私なら大丈夫です。今、こうやって会えたから」


雪成さんの肩に触れると、彼はゆっくり頭を上げる。やっと合わせたその顔は、なんだか私よりも傷ついているように見えるので、元気を出してほしくて微笑みかけた。

すると、私たちのやり取りを静観していた桐原さんから、若干嘲った調子の声が投げられる。