甘い声を漏らしつつ確認すると、不破さんは獣のような瞳に優しさを加えて微笑む。


「そうだよ。俺をこんなに夢中にさせるのは麗だけだ」


高揚した気持ちにさらに幸せが上乗せされ、なぜだかじわりと涙が浮かぶ。堪らず彼の首に腕を回して抱きついた。

たくさんキスをして、邪魔な布をすべて取り払って、素肌の温かさを確かめ合う。その最中の不破さんの仕草や表情はあまりにもセクシーで、心臓が破裂しそうだ。

猛々しさを露わにする彼と奥深くで繋がったとき、自然と愛おしい名前が喉から押し出された。


「ゆき、なり、さん」


揺さぶられ、乱れる呼吸に合わせて切なく呼ぶと、私を見下ろす彼が一瞬目を見張った。そして、すぐに余裕のなさそうな表情に変わり、汗ばむ肌をぴたりと重ねて私を強く抱きしめる。


「お前を独占していたい……ずっと」


耳元で囁かれた言葉は嬉しい以外の何物でもないし、私も同じ言葉を返したい。胸がいっぱいで頷くことしかできないけれど、あなたは有言実行する男だと信じているから。

お互いをひとり占めすることができる贅沢な契約を結ぶかのように、私たちは一晩中ベッドの上で絡まり合った。