リビングに移動し、私は着替えもせずに定位置のクッションに座る。桃花は私の分の紅茶を淹れてくれて、いつもの斜めの位置についたところで、単刀直入に切り出した。


「実は、私も颯ちゃんのことが好きだったんだ。……大学の頃から」

「えぇっ!?」


それは衝撃的な告白で、私は思わず身を乗り出して叫んでしまった。

大学って、私たちが付き合い始めた頃でしょう? まさかそんな昔から好きだったなんて、当時もまったく感づいていなかった。

あんぐりと口を開けて固まる私に、桃花は慌ててフォローする。


「勘違いしないでよ! 颯ちゃんを奪おうとか、麗のことを憎んだりなんかしてないから! まぁ、羨ましくはあったけどね、すごく」


苦笑する彼女の言葉は、きっとどれも本心だろう。私は自分の鈍感さに呆れ、同時に罪悪感に苛まれる。


「じゃあ、ずっと苦しかったよね。全然気づかなくって、ほんとごめん……」

「謝らないで、麗はなにも悪くないんだから」


肩をすくめて俯く私に、桃花はきっぱりと言い、さらに続ける。