俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい

常に大胆不敵で、謎も多いし振り回されることも多々あるけれど、実は周りの人たちをよく見ていて、たぶん誰よりも人のことを考えている。

そんな彼を尊敬しているし、とても愛おしく想う。私も彼のすべてを受け止められる存在になりたいし、四六時中そばにいたい。

弱っているときに優しくされたせいか、これまでにないくらい胸を焦がしている自分に戸惑いつつ、涙を拭ってへらりと照れ笑いを浮かべた。

すると、骨張った右手が私の頬にあてがわれ、ピクッと肩が跳ねる。目線を上げれば、真剣さとわずかに熱を帯びた瞳が私を見つめている。

その視線に絡め取られるような感覚を覚えたとき、彼の唇が動いた。


「そんなに好きか、俺のことが」


まさかのひとことに、心臓が大きくジャンプした。

す、“好きか”って……なんでバレたのー!? なぜか確信している様子だし!
今思っていたことが無意識に口から出てた? いや、そんなわけないか。

一瞬にして涙が止まり、内心パニクる私。瞳孔が開いているんじゃ、というほどの黒目を横に泳がせ、一応しらを切ってみる。


「そ、そんなこと、ひとことも言ってな──」

「お前の全身から溢れ出てるように感じるけど」