愛花〜

「愛花ぁ!」

「柚菜!どーしたの?」

「あのねー。った!」

「どうしたの!?大丈夫!?」

蹲った柚菜。右足を手で触っている。

「ご、ごめん。気にしないで。」

「大丈夫?立てる?」

「ちょっとしたら大丈夫だよ!」

「ほんと?」

「ほんとほんと。あ、あのね今日琴葉が木管でセクションやるって。金管はどうする?」 

「先輩に聞いてみないと・・・。」

「そっか。先輩に何かされたら言って。」

「うん!柚菜足大丈夫?」 

「ん。へーき。じゃあね。」

右足を引きずって歩いていく柚菜。

横顔は少し歪んでいる。

「柚菜!お前何してんの!」

「裕太。何でいるの?」

見られたくなかったと顔がいっている。

柚菜の足の怪我を1番気にしてるのは裕太君だ。