福野柚菜。高校1年生。特技はバレエで運動が好き。勉強は苦手。もちろん赤点はとったことはないよ。

部活は吹奏楽部でテナーサックスを吹いてる。

「あっ・・・。」

外か中。気分によって好きな所で練習している。今日はグラウンド前の日陰のあるところ。

グラウンドに目を向けると大好きな人が仲間に囲まれて微かに口角を上げていた。

「裕太・・・。」

小学校からの片想い。陸上部の彼はエースとして期待されている。本当は陸上部にも誘われていた。県大会で優勝してから。でも・・・。私には事情あるし・・・ね。

しょうがない。

「柚菜?」

「裕太!お疲れ!」

「お疲れ。柚菜。」

「1000メートル?」

「うん。」

「いいなぁ。」

「・・・ごめん」

「気にしなくていいよ。別に。」

「・・・。」

「長距離はダメだけど100とかなら大丈夫だよ!」

「そっか。どう?」

「練習?うーん・・・。ちょっとね。スッキリしないの。上手くいかなくて。」

「走れば?」

「え?」

「柚菜の負担にならない程度に。100一本ならいい?」

「別に・・・。うん。」

「今度おいでよ。練習。付き合って。」

「え・・・いいの?」

「あたり」

「ちょっと〜裕太!何してんの!」

現れたのはふわふわした綺麗な茶髪の髪と白い肌。美少女。この学年にはいないから先輩・・・かな?

「雛先輩。」

「ん?誰?」

「くされ縁の柚菜です。100と1000の県大会で優勝した奴です。」

「へぇ・・・。陸上部で100mやってる宮見雛です。よろしくね?」

「福野柚菜です。吹奏楽部テナーサックスです。」

「吹奏楽部?なんで陸上部入らなかったの?県大会で優勝なら勧誘受けてたでしょう?」

「えっと・・・。」

「雛先輩。ここでいいですか?」 

「ちょっ。裕太!あたし喋り途中!」

「裕太!頑張って・・・。」

「柚菜も。頑張って。」

「ありがとう。」

彼との関係はくされ縁以外に怪我をさせたものとしたもの。