佐々木琴葉。高校1年生。1年学級委員長。

広汰君に言われた名前に熱が冷めないまま自分の教室に戻って席につく。

「あっつ・・・。」

顔の熱冷めないし・・・。

「琴葉?どした?」

「きゃあっ!」

がたんっ

「うわっ。」

びっくりして仰け反った時に椅子と共に倒れそうになる。

「ちょ・・・琴葉お前何してんの?」

「ご、ごめん!春樹!」

支えてくれたのは春樹。幼なじみ・・・で好きな人。

顔に熱が集中する。

「熱あんの?」

「ないっ・・・!」

「どうした?」

「何でもないわよ!」

「いや・・・また広汰になんか言われた?」

「うっさい!」

「お前年々口悪くなってくぞ。」

「っ・・・。」

「本当平気か?」

「大丈夫って言ってんの!」

「またあの女春樹君と喋ってる。」

「生意気だよね。」

・・・もう慣れた。

「私・・・あの譜面整頓するから。」

バサッ

「あ・・・。」

譜面があらゆるところに散らばる。

「お前マジでどした?」

「うるさいっ。」

「拾うの手伝う。」

「ありがと・・・。」

少し触れた手は少し冷たい。