「っ・・・。」

とどめようと思ってもあふれる涙。

「走れなくなったら・・・私・・・。」

風を感じる事が好きなのに。

「柚菜・・・?」

「こと・・・は・・・。」

「・・・どうしたの?」

柔らかく暖かい声。

「・・・靭帯・・・やっちゃってて・・・走れないかもしれない・・・。」

「え・・・。」

「リハビリ頑張っても走れないかもしれないって・・・。」

「・・・そう。」

「琴葉助けてよ・・・!いつも私助けてくれたじゃん!」

「柚菜・・・。今日は入院よね。病室行きましょう。支えるから。」

「・・・ありがとう。」

痛みに耐えつつ必死に歩く。

「大丈夫?」

「少し痛いけど平気。」

「ギプス汚れたら変えないとね。」

「車椅子でいれば汚れることないよ。」

「そうだけど・・・。」