「宮園はさぁ。何で猫被ってんの?」

「何でって明確な理由はないよー。愛花の側にいるためにこうするしかなかったの。」

「あいつの隣に・・・。」

「愛花は可愛くて優しくてふわふわしたお姫様みたいな子で私は冷たくて相手の事考えない氷の姫で。お姫様の隣にいるためにはお姫様に合う人にならないとだから。」

「それで自分をわざわざ変えたわけ?」

「あんたはさ。まだ分かってないよ?」

「何を?」

「そのまんまの私でいいって思ってるかもだけど」

「あぁ。」

「それじゃあダメだったの。だから私はアレに手を出した。」

「・・・宮園。お前は」

「しーっ。」

唇の前に人差し指をたてられる。

「言わなくていい事ってあるでしょ?」

「薬じゃないだろ?」

「そうね。」

「まだ続けてるのか?」

「もうやってないけどー。時々電話来るから迷惑なんだよ。」

こいつの笑顔の中で初めて残酷だと思った。

そこまでする必要あるのか?疑問は押し留めた。