みんなホッと一安心。

鮮やかな神対応。
モニカ様の表情だけじゃなくて広間の雰囲気も、バロンの行動のおかげで和んだ。


「さすがバロン。やるわね」

傍に戻って来てグラスに水を注いでくれるバロンに小さく声をかけると、彼は言葉は発しず、私だけに見えるように片目を閉じてウインクを返してくれた。


バロンとモニカ様のやり取りは正直ちょっと嫌だったが、彼は私の召使い。
やっぱり、自慢したいくらい格好良いな。
と、私は誇らしく思っていた。


ーーけど。

そんな私の思いは甘かった。

モニカ様の我が儘はこの後も続いて、彼女はとんでもないお願いを私に言うのだ。


「バロンを私の召使いにして頂戴!」

モニカ様の言葉に、私は衝撃で言葉を返せなかった。