……なぁ、もう充分だろ?

お前が傷付いて、泣いてる姿なんて……。見たくねぇんだよ。

助けを求めたてきたら、すぐにでも連れ去ってやるつもりだった。

なのに……。


「……バロン、見ててね?
私は明日、最高に輝くから」

涙を堪えて、いつもお前は俺を見上げて微笑むんだ。


「みんなに貰った全てを出して、最高の花嫁になってみせるから。
約束するから……。最後まで、見てて?」


ふざけんな。
ガキのクセに、お前なんでそんなに格好良いんだよ。

そう思った瞬間ーー。

『……。そうだな。
将来、お前が誰よりも良い女になったら……。迎えに来てやってもいい』

俺の中で、あの日の約束が……よみがえる。