依頼を引き受けた事。

別に、深い意味はなかった。
この時は、特別アカリが可愛いとも思わなかった。


ただ、笑顔を返したかった。

俺を笑顔にしてくれたアカリに。
俺に笑顔を教えてくれたアカリに。
微笑っていてほしいと、思ったんだ。


翌日。
俺はアカリの召使いとして傍にいる事で、花嫁修業という任務を遂行する事が決まった。


「お守りします。
貴女様の17歳を、必ず幸せにすると約束します」

アカリが少しだけ、微笑った。
そしたら、俺も自然と微笑っていた。

アカリの笑顔を見ると、何処かホッとするこの気持ちの名前を……。

俺は、まだ知らない。