「よし、分かった!」

声を弾ませたヴァロンは再び椅子に座ると、メニューを広げて色々話してくれた。
「どんな物が食べたい?」とか、自分のオススメとか。
その様子に、さっきまでの気不味かった雰囲気が解けていく。


ーー案の定。
ヴァロンはすごくたくさんの料理を頼み始めて、その量と金額に私は驚いた事は言うまでもない。

けれど。
ヴァロンは本当に美味しそうに残さず食べるし、「美味しい!」って私が言う度にすごく嬉しそうに微笑ってくれるから……。
そんな彼がなんだかすごく愛おしく感じて、胸が高鳴った。


好きな人と一緒にいるのは、忙しい。
嬉しい事や楽しい事だけじゃなくて、驚いたり戸惑ったりもするんだね。

少しずつ、歩んで行こう。
お互いの事、ちゃんと知っていこう。

ヴァロンとの日々は、まだまだ私にとって学ぶ事の連続なのだと思った。