【17歳の2月】

「アカリ様!
こんな感じでよろしいですか?」

「あ、こちらも確認をお願い致します!」

「は~い!
みんな、ちょっと待ってね~!」

別荘の厨房。
私は自分の作業をキリのいいところで中断すると、呼ばれた方へ歩み寄り使用人達の調理状況を確認する。


今日は特別な日。
女の子が好きな人へお菓子を贈る日。

嬉しい事に私がクリスマスに作った料理やお菓子がすごく好評で、使用人の女の子達にぜひ教えてほしいと頼まれた。

そんな訳で、今日は数人の使用人達とお菓子作り。
「たまには息抜きもいいでしょう」と、ローザがお稽古事も休みにしてくれた。


「うん!みんないい感じに出来てるよ。
その調子で最後まで頑張ろうね!」

私の確認にみんなは「はい!」と笑顔で答えると、再び作業に戻る。
その合間合間には、楽しそうな女子トークが湧いていた。