「ヴァロンに、興味がおありですか?」
表情をほころばせる私を見て、シュウさんが微笑む。
「はい。……と、言うか。
会った事があるんです。幼い頃、一度だけ」
私は子供の時にヴァロンと会い、一晩過ごした時の事をマスターさんとシュウさんに話した。
その話を聞いて、二人は驚いた表情で顔を見合わせる。
「……ヴァロンが、本当かのぅ?」
「面倒臭い、うっとおしい事嫌いなヴァロンが……。子供が寝付くまで、傍に居た?」
二人共「信じられない!」と言った口調と眼差し。
そ、そんなに信じられないのかな?
ヴァロンって、そんなに問題ありな人なの?
「た、確かに!
口は悪かったですけど、笑顔はすごく優しくて……」
二人の異様な反応に、私が必死になって更にヴァロンの事を話すと……。



