夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】


「じゃあ、証拠!
証拠を見せてみろやッ……!!」

このままでは答えの出ない疑問。
バロンの変わらない余裕の笑みに、大男はイラついた感じで7杯目を飲み干して、グラスを置いた。


証拠。
彼がヴァロンである事を証明する物。

果たして、そんな物があるのだろうか?

この答えに、この場に居るみんなが一体化したように興味津々だ。


「……。仕方ないね」

固唾を呑んで、皆が見守る中。
バロンは8杯目を飲み干してグラスを置くと、胸ポケットを探り……。


「これで、信じてくれる?」

人差し指と中指で挟むようにして、ある物をみんなに見せた。

それは、夢の配達人の白金バッジ。

バロンの髪と瞳の色によく似た、バッジ。
六角形で、表面に刻まれたチェスの駒のようなユニコーン。

……。

ほんの一瞬だけ、時が止まったように静まり返って……。

ワアァァァーーーッ!!!!

と、すごい歓声が上がった。