「お願いしますっ!少しだけでいいんです!
話を、聞かせて下さいッ……!!」

お父さんの事を聞きたいだけ。
本当に夢の配達人だったのか、それだけでも分かればよかった。

せっかく夢の配達人に会う事が出来たのに、このチャンスを決して逃したくない。
話を聞くまで絶対に引き下がらないと、心に決めた。


すると。
頭を下げたまま暫く動かなかった私に、大男が問い掛ける。


「……。
そんなに、オレ様に聞きたいのか?」

「!……は、はいっ!」

「ふ~ん、じゃあ……。
オレ様が出す要求を飲んだら、お嬢ちゃんの質問に答えてやるよ」

そう言った大男は、顔を上げた私にニヤリと笑うと、小さなグラスに入った飲み物をカウンターに置いた。

一口サイズのグラスに入っているのは、綺麗な、透明な液体。