?……なんだろう?

気になって足を止めるけど、人が壁になって何をしているのか分からない。

それよりも今はバロンを捜さなきゃ、と再び駆け出そうとした私の耳に届く、人溜まりのお客さんの声。


「すげぇな!
あの人、夢の配達人らしいぜ!」

「あれだろ?
最近活躍してる人だよなっ!」


!……夢の、配達人?!

人混みを避けて行こうとした私の耳に聞こえた、”夢の配達人”と言う言葉。


「と、通して下さいッ……!!」

夢の配達人と聞いて、私は夢中になって人混みをかき分けて前へ進んだ。


夢の配達人に、会える!

胸を高鳴らせて人混みを抜けると、その先にあった飲み場のカウンター席でお酒を飲んでいる大男の姿。
その胸元には、確かに夢の配達人の金バッジが付いていた。