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『その時は、ぜひ聞かせて下さいませ。
アカリ様とバロンの進展を、ねっ?』

自室に戻り椅子に座って頬杖をついていた私の中に、別れ際モニカ様に言われた言葉が木霊する。


「私と、バロンの進展?……っ〜〜〜!
わ、私っ……何考えてるんだろうっ」

彼女が変な事を言うから、さっきから頭の中にはずっとバロンが出て来て、何やら色々な妄想が抑えようとしても膨らんできてしまう。


ーーいや。
モニカ様の言葉がなくても、私の心の中はとっくにバロンでいっぱいだ。

最初に彼を助けた時。
あの時は彼を助けるのに必死で、ここに連れて来たのは私が一人になりたくない寂しさからだった。


でも、バロンが私の召使いになると言ってくれた。
傍に居てくれると言ってくれた時。
あの時から、彼は私にとって特別な存在だった。

厳しいけど、優しくて。
強くて、頼り甲斐があって。
あんなに、格好良くて……。

彼が一緒に居てくれるだけで、私の毎日は魔法がかかったみたいにキラキラと輝くのだ。