「〜〜ッ!」

これは、まさに”でこチュー”というもので間違いないだろう。

そう自覚して、一気に真っ赤になる私の顔。
いや、顔だけではなく次第に全身がポポポッと熱くなってくる。


しかし、バロンはまるでお構いなしに攻撃(?)の手を緩めてはくれない。
私の顔を覗き込むと、今度はリーダーに殴られた頬の傷に触れてきた。


「……口の端、切れてる」

「っ……だ、大丈夫!
バロンッ!大丈夫だからっ!」

ち、近いっ!
バロン、近いからッ……!

私のドキドキは最高潮!
あわあわと慌てふためいて、近付いてくるバロンの顔に恥ずかしくて目を泳がせる。


う、嘘でしょっ?!
このまま……キス、されちゃうのっ?!

まるで長い階段を全速力で駆け上ったみたいだ。
心臓が爆発しそうなくらいにドッドッと鳴り響く。

迫ってくる透き通るような白金色の瞳とこれ以上目を合わせていられなくて、私は固く目を閉じた。