ッ……痛い。
怖いッ、でも……っ。

彼等の狙いが私なら……。
モニカ様だけは……守らなきゃっ。

叩かれた衝撃で地面に倒れた私だが、真っ先にそんな想いが過って拳を握り締める。


「っ……アカリは、私よッ。
その子は関係ないわ!だから、ッ……離して!」

殴られた頬を押さえながら立ち上がり、男達を見つめた。

震える脚。
溢れそうな涙を必死に堪え、男達を見据えていると……。
その背後の茂みの奥から、男がもう一人現れた。


「……そっちの金髪は違う。
情報によるとアカリは黒髪だ」

茶髪に耳や鼻にピアスを空けた、他の男達よりもはるかに背も高く体格も良い、まさに”格闘家”といった感じの男だった。

その男はあっという間に距離を縮めて詰め寄ってくると、私の喉元を手で締め付けるように握る。


「……勇気があるねぇ、お嬢様」

「!っ……うぐッ?」

絶妙な力加減で喉を掴まれ、痛みや苦しさよりも恐怖の方が勝り、振りほどきたいのに抵抗が出来ない。