***

薄っすらオレンジ色に染まる空の下。
日中より涼しい風が吹く散歩道。
そこを歩く、私の足取りはすっかり軽い。


良かった。
初日はどうなるかと思ったけど。
これで少しは歩み寄れる、かな?

穏やかな雰囲気の中で、残された時間は一緒に楽しく過ごせるのだと思うと嬉しくなる。


どんな話をしようか?
夕飯は一緒に食べられるのだろうか?

色々想像して表情を綻ばせていると、一歩前に踏み出したモニカ様が私の正面で足を止めた。


「アカリ様に、ずっと謝らなくては……。と、思ってましたの」

「えっ?」

「初めてお会いした日のご無礼……。
どうか、御許し下さいませ!」

何やら深妙な面持ちで見上げられたと思ったら、突然の謝罪の言葉。
私の瞳に映るのは、深々と頭を下げるモニカ様だった。