▽ 「じゃあねー!」 「またな」 授業を終えて、3人で一緒に駅まで帰る。 「またねー!」 いつもの公園の前で別れて、あたしはひとり家までの道を歩く。 住宅街の中にひっそりと佇む、こじんまりとした一軒家。 財布から鍵を出してカチャリと開けた。 「ただいまー……」 家の中に誰もいないのにそう言ってしまうのは、昔から抜けない癖みたいなものだ。