こんなつもりじゃ、なかった。
勇次を泣かせるつもりじゃなかったのに。
勇次だけは守りたくて。
せめていちど位、勇次を傷つけずにいたかったのに。
こんなに勇次を傷つけてしまっては、自分のしたことは全て無駄だった、と、秀一は後悔した。
最期に見るのが、勇次の、こんなに悲しい泣き顔だなんて。
「ごめん、なぁ。勇次。おまえ、に、つらい、思い、させたく、なかった」
「今つらいのは兄さんじゃんかよ!なんでっ、こんな目にあって、俺のことばっか、心配するんだよ!」
内臓が、動きを止めて冷えていく苦痛。
傷の痛み以上に、食い入るような激痛を、秀一は目を閉じて、受け入れた。
もう、息も、吸えない。
「頼むから……幸せに…なって……くれよ」
焼き付いた勇次の泣き顔が、暗くなっていく。
一度でいい。
勇次と、笑いあってみたかった。
秀一が最期に思ったのは、そんなたわいもない後悔だった。
勇次を泣かせるつもりじゃなかったのに。
勇次だけは守りたくて。
せめていちど位、勇次を傷つけずにいたかったのに。
こんなに勇次を傷つけてしまっては、自分のしたことは全て無駄だった、と、秀一は後悔した。
最期に見るのが、勇次の、こんなに悲しい泣き顔だなんて。
「ごめん、なぁ。勇次。おまえ、に、つらい、思い、させたく、なかった」
「今つらいのは兄さんじゃんかよ!なんでっ、こんな目にあって、俺のことばっか、心配するんだよ!」
内臓が、動きを止めて冷えていく苦痛。
傷の痛み以上に、食い入るような激痛を、秀一は目を閉じて、受け入れた。
もう、息も、吸えない。
「頼むから……幸せに…なって……くれよ」
焼き付いた勇次の泣き顔が、暗くなっていく。
一度でいい。
勇次と、笑いあってみたかった。
秀一が最期に思ったのは、そんなたわいもない後悔だった。


