「もちろん、ご協力いただければ、それなりの利益はあなたにも渡せますよ」

「……俺は、この病院ではなんの力もありませんよ」

「ご冗談を。あなたは三津田総合病院の後継者だ。お父様からの信頼も厚い。実質的には、実権を握っていると言ってもいい。……守りたいでしょう?未来のあなたの城だ」

「俺が断れば」

「私は、あなたをビジネスにお誘いしているにすぎません。ですが、あの密売人の女と付き合っていたのは、弟さんでしたか?世間が知ったら、病院も、あなた方一家も大麻に汚染されていると思うでしょうね。弟さんは心の優しい方だそうですから、そうなる前に、自分で始末をつけられるかもしれませんが」


つまりは、勇次を殺す、ってこと、か。
秀一は、ちいさく息をついた。


「……わかった。話を聞きましょう」