いっちょまえに可愛いと思ってしまったコミュ障。


枻くんはその顔のまま、続ける。


「波音、愛してる。」

「あ、あい...っ!?」

今度は、私が赤面してしまった。

枻くんはそれを確認すると、赤面を止め、穏やかな笑顔で

「ははっ。かわい。」

と言った。

いきなりの甘さに、溶けそうだった。

「い、いきなり甘いよ!!」




そこまで言って、気付いた。

かなり大きい声だったと。






__まずい。







「授業中は私語を慎むように。」


名指しじゃなかっただけ、有り難いと思おう。



教授が背を向ける。

と、同時に、枻くん______ではなく、何者かに腕を引かれ、教室から出された。