3月生まれの恋人



『先生〜♪おはよ〜♪』


『ゆづ先生おはよ〜!』



お風邪はもう良くなった?

たった1日お休みしたあたしに寄せられる、子供たちの心配の声



『うん、もう大丈夫!
ありがとう』



子供たちに心配をかけることになった原因が男だなんて、我ながら情けない

しゃがんで目の高さを合わせると、子供たちが我先にと飛びついてくる



『キャ〜!
みんなごめんね?』



両手を一杯に広げて子供たちを迎えると、一瞬にして園庭は大騒ぎになった。


好きだったけど、もう涙は出ない。

不思議な優しいお隣さんに慰めてもらい、今自然に笑えてる

美形で背の高い、お隣さんは今頃何をしているだろう?



『ねえ、先生?』



『ん?』



声のする方に目を向けると

そこには、さくら組で一番人気の男の子、拓海くんの姿



『あのねー、今日ね、俺んちの兄ちゃんが園庭にでっかいでっかいクリスマスツリー持って来んの!』



得意げに胸をはる拓海くん。

園の女の子達が夢中になるだけはある、華やかな雰囲気の男の子なんだけど・・・



『拓海くんて、お兄ちゃんいたっけ?

おっきなクリスマスツリー?』



今ひとつ意味が掴めずに拓海くんに聞き返すと、拓海くんがにやりと笑った




『うん、あのね?

おれからゆづ先生にプレゼントなの!

兄ちゃんが今日車で持ってくるから、あそこに埋めてもらうんだよ?』



そういうと、拓海くんは砂場の隅の空き地を指差した。



『埋めてもらう?』



空き地にクリスマスツリー??