3月生まれの恋人

すぐに気持ちを変えようなんて思わない
見知らぬバカを引きずっていたって、今はいい


警戒心を解いて、近づいてきてくれた・・・。
華奢で愛らしい子猫みたいな目の彼女を、


俺は理性ギリギリのラインで朝まで抱き締めた。







朝、
なにか少しすっきりした表情で起きていた彼女は

テレビの星占いをじっと食い入るように見つめていて
一位魚座のアナウンスに久しぶりの笑顔を見せた。



早生まれの俺も実は魚座


これって誕生日を知るチャンスかも・・・!

上がるテンションを抑えつつ、そっと聞いてみる。

すると



『3月3日。』



えっ?
下心ありありだった俺も思わず目を丸くした。

だって俺は・・・



『俺、2日。』



一目惚れした君は、誕生日もたった1日違いの同い年

運命かもって、勝手に思う。

君の為なら、女遊びも完全廃業、喜んでそうするから。



『お互いラッキーデーだといいね』



これから出勤するねと、彼女は隣の部屋へと帰って行った

少しだけ不調は残っている筈だけど、笑顔はもう、いつもみたいに明るかったから

俺は出て行く彼女を見送った

俺の甥っ子を含めて、きっと沢山の子供たちが、首を長くして彼女を待っているだろう


そう、今日は魚座のラッキーデー



『よし、俺も行くか。』


睡眠不足の割にはすっきりした頭で

俺は彼女の空気の残る部屋を後にした。