3月生まれの恋人

『ひとまず乾いたものに着替えさせたけど、一体どういうことなの?

説明しなさい、柊』



暖かい、暖房の効いた寝室に彼女を移して、ようやくリビングで一息つくと

事情の読めていない泉が鬼の形相で俺を睨みつけた



『どういうことも何も』



『ゆづ先生、目が腫れてるじゃない!

あんたが泣かせたんじゃないでしょうね?』



事実なら命はないわよ、位の勢いで怒る泉



『バカいうな、本気で喋ったこともない隣人だ』


『本当でしょうね?』



よりにもよってゆづ先生の隣があんたん家だなんて・・・危険だわ!

泉は、大真面目な顔でそうつぶやくと、俺の隣にどかっと腰を下ろした



『何があったのかしら・・・・

いつもニコニコの本当に優しい先生なのに。』



いつもの鬼は顔を潜め、心配そうに思い悩む泉


何があったかなんて、俺だって知りたい・・・。

あの日園庭で、子供たちと同じ笑顔ではしゃいでいた

そんな彼女を、何があんなに苦しめているというのだろう