3月生まれの恋人


泉は、まるで計算したかのようにきっかり五分で俺の部屋にやってきた



『最近女っ気無いかと思ってたらよろしくやってんじゃないの!』



彼女には絶対に聞かれたくないセリフを吐きながら
泉は彼女が横たわるソファーに近づく



『えっ?何でゆづ先生があんたの部屋にいるの?』



さすがの泉ですら、あっけにとられた顔で俺に訊いてくる



『隣の人だよ』



『この人は拓の幼稚園の先生よ?

ダントツ一番人気のゆづ先生!』



知ってるよ、そんな事

泉に聞こえないよう小さく呟いて、彼女に目を移す



『しかも何?
ちょっと酷い熱じゃない!

あんたボンヤリしてないでタオルと着替えっ!』



ゆづ先生に何かあったら拓にぶっ飛ばされるわよ?柊


慌てて着替えとタオルを取りに行き泉に渡すと、強烈な蹴りで俺は部屋から追い出された

あれでも一応、看護士の資格を持つ泉

ようやくほっとして、俺は廊下にぐったりと座り込んだ