魚座生まれの俺と彼女にとって、今日は絶好調な1日らしい・・・。
占いにひとしきり喜んだ後、“仕事に出なきゃ”と彼女は元気に隣室に帰っていった。
緊張と、訳の分からない高揚感?
ひとりになった俺はパタリとベッドに倒れ込んだ。
布団に仄かに残る、彼女のいた痕跡。
それが俺にどれだけの幸せな気持ちをもたらすかなんて、彼女はきっと、露ほども気付いていないだろう
正直なところ、倒れている彼女を発見した時は、どうしたものかと本気でうろたえた。
放っておくという選択肢はもちろん無かったけれど
救急車を呼ぶべきか?
病院へ運ぶべきか?
はたまた、彼女の鞄を漁って鍵を開け、部屋に寝かすべきか?
当初、三択だった選択肢に突如四つ目の選択肢が加わったのは、同じフロアに住む大学生(男)が友達を連れて帰宅する声を耳にしたためだった
“マズい”
ポケットでじゃらじゃらと音をたてていた鍵を引っ張り出し、俺は慌てて自室の鍵を開けた。
ずぶ濡れで、かなりの高熱を出している模様の彼女をそっと抱き上げ、部屋へと隠すように扉を閉めた
“って、どーすんだ?俺?”
勢いで部屋へ上げたまでは良かったが、その先、俺の頭の中は真っ白
苦しそうに、はあはあと息をする彼女を
なんとか楽にしてやりたいところだが
ずぶ濡れで肌に張り付いた髪と服
不謹慎ながら俺の男の感情を・・・煽る
“だっ、だめだっつーの!”
俺は必死で自分に言い聞かせながら、ジャケットのポケットから携帯を取り出した
こうなったら冷やかし覚悟であいつに頼るしかない
かけた先は兄貴の嫁、泉の携帯

