『あの・・・』
意を決して顔を上げ、彼を見上げる
『あの日あたし、彼へのクリスマスプレゼントを選んでた店で・・・
別の女の子を連れた彼に会ったんです』
『浮気・・・か』
『いえ、わかりません
多分、どちらかというとあっちが本命であたしが浮気相手だったのかも』
多分、あの時
綾香と呼ばれた女性に話しかけられ
あたしは手にしていたネクタイを置いて逃げ出した
あの時までは多分手提げも腕にかけていた筈・・・
あたしを拾った夜からずっと、誠実な態度を崩さなかった彼に
自分も誠実でありたいと思い
あたしは、思い出したく無かった場面をゆっくり噛み締めながら
土曜日の出来事をかいつまんで彼に話した
『じゃあ、そのセレクトショップだと思う?』
『多分』
きっと、間違ってないと思う
届いているかいないかはともかく、あの時無くした以外、考えられない
『ただ・・・
あの場所に・・今、一人で行く勇気が湧かないんです
迷惑は重々承知なんですけど・・・付いて来て貰えませんか?』

