『あれ?起きてたの?』
夕方
そっと開けた扉から音を立てないよう入ってきた彼は
リビングで起きていたあたしを見て、少しだけ目を見開いた
『熱、殆ど下がったから。』
色々お世話になりました、と頭を下げると
彼はその蜂蜜色の髪を掻いてあたしを見返した
『鍵、心当たりある?』
『はい・・・』
目が覚めてからできる限り土曜の出来事を思い出してみたのだけれど
最寄り駅に着いたときにはもう、あの小さな手提げは手には無かった。
では、電車に飛び乗った時か?とも思ったが、電車のパスカードを捜したとき、よくよく考えてみると既に消えていたような気がしてならない
となると、可能性が高いのは、あの、セレクトショップ・・・

