少し落ち着いてから、あたしは鞄から取り出した携帯で職場に電話をかけた。
熱を出して寝込んでしまった事を伝えて
今日1日だけと休みを貰った。
和真の事は忘れて今は休もう。
あたしは、主のいない部屋のベッドへと潜り込む。
寄りかかって迷惑をかけちゃったけど、一生に一度の冒険のつもりで彼にもう少しだけ付き合ってもらおう・・・
重い瞼を閉じて大きく息を吐く。
体は疲れているのであろう、眠りは程なくやって来た
『お隣さん、いい人で良かった・・・』
昔ママがよく口ずさんでいた歌が、ふっと頭に浮かんだ
“男は狼なのよ、気をつけなさい〜♪”
『あれ、続き、何だったっけ・・・』
その先を思い出せないまま、あたしはウトウトと眠くなる
『少なくとも柊さんは狼じゃなかった』
そうつぶやいたのは現実だったのか、それとも夢だったのか・・・
あたしは昨晩よりも少しだけ幸せな気分で意識を手放した。

