3月生まれの恋人


でも、これ以上迷惑もかけられない・・・



『あの・・・
どこでもいいので鍵屋さんに電話かけてもらえませんか?』



『鍵屋?』



『実は家の鍵を無くしちゃったんです。
どのみち無くしちゃった以上替えないとだし、

あなたにこれ以上ご迷惑おかけできないし』



そう・・・

不動産屋には事後承諾になってしまうけれど、最早他に道はない・・・



『すみません、部屋の鍵、壊してもらって下さい』



口を開く体力もなく、消えそうな声でそう言うと

彼は厳しい顔であたしを見据えた



『変な事考える暇があったら早く服着替えろよ

でなきゃ俺が着替えさせるぞ!?』



部屋、しばらく出てるからその間になんとかしろよ!?


“バタン”


そうして彼は、後ろ手に扉を閉め、部屋から姿を消した。