でも、これ以上迷惑もかけられない・・・
『あの・・・
どこでもいいので鍵屋さんに電話かけてもらえませんか?』
『鍵屋?』
『実は家の鍵を無くしちゃったんです。
どのみち無くしちゃった以上替えないとだし、
あなたにこれ以上ご迷惑おかけできないし』
そう・・・
不動産屋には事後承諾になってしまうけれど、最早他に道はない・・・
『すみません、部屋の鍵、壊してもらって下さい』
口を開く体力もなく、消えそうな声でそう言うと
彼は厳しい顔であたしを見据えた
『変な事考える暇があったら早く服着替えろよ
でなきゃ俺が着替えさせるぞ!?』
部屋、しばらく出てるからその間になんとかしろよ!?
“バタン”
そうして彼は、後ろ手に扉を閉め、部屋から姿を消した。

