《原 愛梨》

「ちよっと待っててくれる?」

「あ、はい。」

黒田さんは、どこかへ行ってしまった。

「ねえ、どんな顔して会えばいいのかな?」

「そんなの、俺にだってわからない。

でも、会いたかったのは事実だ。」

その通り。

会いたかった。

「ごめんね。さ、行きましょうか。」

ドキドキしすぎて胸が痛い。

琴は、どんな顔をするんだろう。