別にどうだっていいけどさ。――そうそう、俺はこいつらの会話を気にしてる余裕なんて無いんだ。

 今から俺が行く場所には、俺の女神がいるんだから。

 帰りのHRと掃除も終わり、今俺が向かっているのは図書室。

 芥川龍之介が読み終わったから、今日は太宰治を読みに……なんてことではもちろん無い。教科書以外の小説なんてほとんど読んだこと無い俺がそんなもの読めるわけ無い(てゆーか教科書すら危うい)。

 俺は図書委員だった。本当は体育祭の準備ができる体育委員が良かったのに、委員決めの日に俺は学校をサボってしまい、次の日に来てみたら黒板の隅に「図書委員:大野大輝」って書かれていたんだ、くそ。

 俺にとって、大人しく本を読んでるなんて拷問に近いのに、図書委員なんてやってられるかと考えながらも、しぶしぶ委員をやることを承諾(ってゆーか休んだ奴に拒否権は無い)したのだったが。

 図書委員というやつは、めんどくさいことに、当番制で週一で放課後残って、本の整理やら返却の受付をすることになっていたのだ。