そして、その後いくつかの屋台をまわって、今年の夏祭りは終わりを告げた。



「いやーびっくりしたよ。」



帰り道、最初に口を開いたのはやっぱり楠木くん。



「西風さんって結構食べるんだね。」



「うん、今年も舞は変わらなかった。」



「てことは、毎年こんなに食べてんの?」



「その通り。それでこの後の夕食もすんなり入るんだからね。」



「西風さんのお腹って、ブラックホール…?」



「うん!そうだよ!」



「違うでしょ、嘘つかないの。」



まるでコントのような会話が、こんなに楽しく思う日がくるなんて思わなかった。