検査が終わると、日はもう沈んでいた。
遠くから二つの影が見えた。
お父さんと、お母さんだ!
「おとーさん!おかーさん!」
私は夢中で両親の胸に飛び込んだ。
「未亜、走っちゃダメだろう?」
そう言う父の顔は優しかった。
「未亜ちゃん、今日も頑張ったね。お疲れ。」
お母さんが私の頭を撫でる。
「えへへ、私、明日もその次の日もずっと治るまで頑張るの!」
廊下に明るい声が飛び交う中、「花園さん」という声が聞こえた。
「あら、先生。」
お母さんが私の担当の先生に目線を移す。
「未亜ちゃんのことで、ちょっといいですか?」

