俺がいくら声をかけても、 「大丈夫」 「余計なことはするな」 の一点張り。 しかし、そんな琉音でも恋バナをすることはあった。 「那音、俺さ、好きな子できたんだ。」 「えっ、マジ!?だれだれ?」 「黒髪で、ロングストレートで、もうめっちゃかわいい子!」 琉音が恋バナをするなんて初めてだったから、俺は応援していた。 「名前は、花園未亜っていうんだ〜。」 嬉しそうに言う琉音は、それから数日すると泣きながら帰ってきた。