「昨日の夕方。 起きて、舞からメールきてたから、そこで初めて楠木くんって誰?ってなった。」 まさか、彼氏だとは思わなかったけど。 「そっ、か…。」 静まる空気。 「あ、じゃあ、今日は二人でデートしてきなよ!」 デ、デート!? 「ほら、そしたら何か思い出すかもしれないじゃん。」 いや、そんな軽々と思い出せるものじゃないと思うけど…… 「おぉ!それいいかも!」 いいんかーい 「じゃ、放課後デート決まり!ね!」 こうして、私の意見は何一つ二人の耳に届くことはなかった。