ガラッと背中でドアが開いた。
お母さんと先生が帰ってきた証拠だ。
お母さんは、病院に行く前より青ざめていて、悲しげな顔だった。
「お母さん、大丈夫?」
私がそう言えば、
「えぇ、大丈夫よ。」
お母さんが必ずそう言った。
病院を出て、私はしばらく放心状態だった。
先生に言われたことを思い出す。
『最近、何かありましたか?』
『病気の進行が非常に早くなっています。
この前までは平気だったのに。』
そんなことよりも。
『未亜ちゃん、あなたは今、高校二年生です。』
たった一言の、その言葉のほうがショックだった。

